top of page

「おかえりなさい」

 二人は同時に顔を上げました。何年ぶりでしょう、変わらぬ笑顔がそこにありました。

 

「ご無事でよかったです」平野がほっとしたように言いました。

「僕ら、ずっと待ってたんですよ!」堀川は腰に手を当ててまるで子どもに叱るようです。

「お互い、よい修行になったであろう」山伏は腕を組んで明るく笑いました。

「そうだといいが……」山姥切は白い布を引っ張り、ぼそぼそと呟いていますが、綺麗な青色の目は再会の喜びに輝いています。

「これからは帰る時間を守るようにせねばなりませんな」一期一振はため息をつきながらも微笑んでいるようです。

「全く、君たちには驚かされるな!」鶴丸は楽しそうに笑いながら手を叩いています。

 

 燭台切と長谷部とともに、主がいた数日間で鍛刀された、本丸の仲間たちです。二人がハロウィンを彷徨っている間、彼らもやっぱり、ハロウィンの本丸の中で待ち続けていました。

 

「……みんな、ただいま」

「心配をかけてすまなかった」

 長谷部は頭を下げました。

 

「構わない。俺たちも少し、主の不在に動揺しすぎてしまった」

「主がいなくても、出陣も遠征もできないことはないからね」

 仲間たちの優しい言葉に、長谷部は胸が熱くなりました。

🍭燭台切の 

44.

bottom of page