「早く見つかるといいですね」
「うん、ありがとう。君たちも素敵なハロウィンを」
頭ほどもあるジャック・オ・ランタンを抱えながら、門まで見送りに来てくれた秋田に大きく手を振り返し、燭台切はそっとため息をつきました。
「楽しそうだったな」
先を歩く長谷部がぽつりと言いました。
彼は門をくぐってから一度も振り返っていません。
「僕たちだって、本丸に帰れば賑やかで楽しいよ」
「本丸が見つかれば、だがな」
長谷部は前を向いたまま答えました。
二人の前には道がまっすぐに伸びていますが、
どこへ続いているのか燭台切には見当もつきません。