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そこは、本丸の城門の前でした。白い漆喰が美しく朝日を照り返す、新しい本丸です。
「ここは僕たちの本丸……!」
主が不在になって半年以上が経ち、長谷部はたまらずに飛び出しました。燭台切が追ってきても振り返らず、あてもなくただ前へ進んでいるうちに、帰り道がわからなくなってしまった本丸です。
二人が打たれた本丸は、確かにここでした。
二人は帰ってきたのです。
42.